2016年5月26日木曜日

カラスの巣窟でなぜカルガモは繁殖するのか・求むヒント

  

5月下旬、代々木公園に、東屋でのスズメの繁殖を確認しに行きました。天井の梁に、営巣防御用のベニヤ板が張りまくられてましたが、そこはスズメのこと、隙間をうまく利用して多数営巣していました。
ところで、その際に公園中央の噴水池に立ち寄ると、カルガモが親1羽、孵化間もないヒナが10羽、池内を泳ぎ回っていました。代々木公園は、都内でもハシブトガラスが多数常駐している場所で、その数は数百~千羽と推定しています。隣接する明治神宮は夜間にねぐらとして利用していますが、昼間はあまり苑内にいません。
ところが、代々木公園には、日中多数が“たむろ”しています。来園者が食べ残す残飯が多いわけでなく、また、そのような生ごみ漁りを見かけることもほとんどありません。明治神宮側の落葉が大量に敷き積まれている場所で、何らかの食物を採っている姿をよく見かけます。このカラスたちは、飲水と水浴びの場所として噴水池を高頻度で利用し、ひっきりなしで池畔に降りたちます。そんな場所でなぜカルガモが繁殖するのでしょうか。

実際、その日も少し観察していると、岸辺に近づくヒナをねらう1羽のカラスが、執拗に狙っていました。親はカラスを威嚇していました〔写真〕が、ヒナたちはどんどん岸にあってしまうので、隙をみてヒナが捕食されるのは間違いないと思われます。

ところで、お隣の明治神宮には南池・北池・東池と3つの池がありますが、冬期に少数飛来するだけで、繁殖はほとんどしていません。危険と知りながら、そこで子育てをするからには、何らかの利点があるのでしょうが、今のところ理解できません。なんらかのヒントがありましたらお願いします。                       (川内 博)