2016年12月20日火曜日

報告書『東京の野鳥たち~月例探鳥会7か所・20年間の記録~』の案内

  

 日本野鳥の会東京が毎月実施している探鳥会(月例探鳥会)は、東京都・千葉県下10か所。そのうち都内にある7か所(葛西臨海公園・東京港野鳥公園・清澄庭園・明治神宮・多磨霊園・高尾山・多摩川)での、1995年度~2014年度の20年間の記録をまとめた報告書『東京の野鳥たち~月例探鳥会7か所・20年間の記録~』(A4版・129ページ・図)が発行されています。この7か所は東京湾沿岸から都心部・郊外・山地・河川と、東京を代表するような環境が網羅されていて、東京都内全域の傾向を知ることができます。

一般的に探鳥会の記録は、観察種名だけが記されていることが多いものですが、月例探鳥会の記録はおおまかながら個体数が残されていて、今回、研究部のもとで電子化がされ報告書が作製されました。データをもとに、各種のグラフが載せられ、具体的に鳥の数の動きがわかります。

☆入手希望の方は、日本野鳥の会東京あて、メール・Fax・はがきなどでお問い合わせください。
Emailoffice(AT)yachotokyo.org ※メール発信されるときは(AT)を@に変換をしてください。Fax03-5273-5142  
1600022 新宿区新宿51816  新宿伊藤ビル3階  日本野鳥の会東京・研究部

2016年11月27日日曜日

越冬期のオオタカの生態・講演会の案内・12月2日(金)・新宿

  

繁殖期のオオタカの生態については、多くの調査研究がありますが、越冬期の生態についてはまだよく知られていません。そこで、栃木県でのようすを、日本野鳥の会東京・研究部例会の中で紹介してもらいます。オオタカに興味のある方はご参加ください。

題 名:栃木県下でのオオタカの冬のくらし

         講師:遠藤孝一氏(オオタカ保護基金)

日時:2016122日(金)午後7時~9時〔講演は40分程度〕

会場:新宿区立環境学習情報センター・研修室《都立新宿中央公園内・略図参照》

交通:都営地下鉄「都庁前駅」から徒歩約5分、東京メトロ「西新宿駅」から徒歩約7分。

   JR新宿駅からは、徒歩約15分。

資料代:200

2016年11月17日木曜日

秋本番の自然自然教育園・アオゲラ確認

  



すっかり秋色をおびた東京・港区の自然教育園〔写真〕。3年間のセンサス調査の結果を『自然教育園報告』第47号に報告を終え、今年は次号への執筆準備で月1回の探査を続けています。1117日(木)午前中2時間で園内を一周してきました。

  目立つ鳥はヒヨドリ。園内の全域に高い密度で生息していました。次いでメジロとハシブトガラスといったところです。冬鳥としては、シロハラ・ツグミ・ウグイス・シメ・アオジ・クロジ・ジョウビタキ・カケス・ホシハジロと9種を記録しました。また、今まで鳥影がなく寂しかった「水鳥の沼」にもカルガモ20羽が飛来し、ちょっぴりにぎやかになっていました。
  ところで、一番の収穫はアオゲラの生息です。今日は声での確認だけでしたが、今後定着するのか否か興味あるところです。他の緑地はどうでしょうか。           (川内 博)

2016年10月28日金曜日

第5回・東京の環境を考えるシンポジウムを開きます 10月30日(日)

  

  日本野鳥の会東京の室内例会「東京の環境を考えるシンポジウム」の第5回を下記の要領で開きます。今回は「定期調査」の重要性と継続性について検討します。資料として、レジュメのほか、新刊の『東京の野鳥たち~月例探鳥会7か所・20年間の記録~』〔A4判・129ページ・写真〕を配布します。この報告書は、都内7か所の月例探鳥会の⒛年間の記録をまとめ、分析したもので、東京の鳥を知るうえで、重要な文献となるものです。

【ご案内】

5 東京の環境を考えるシンポジウム
「野鳥の『定期調査』の今と昔・そして未来」

日 時:20161030日(日)1330分~16
会 場:渋谷区立千駄ヶ谷区民会館・会議室〔地図参照〕
資料代:1,000円〔レジュメ+報告書〕

 











2016年10月17日月曜日

野鳥調査に興味のある人集まれ!10月23日(日)

  

“バードウオッチングでは物足りない”と日ごろ思っている方は多いと思います。“鳥の野外識別”はひとつのスキルです。誰でもできることではありませんので、日ごろの力を生かすのが「野鳥調査」。そのチャンスが来年広がります。
 1つ目は、東京都が1970年代・90年代と実施してきた『東京都鳥類繁殖地図』の2010年代版を民間の力で作る計画があります。具体的にはNPO法人・バードリサーチが中心になっているもので、都内全域を1.1×0.9㎞のメッシュで調査しようというものです。70年代と90年代、そしてその20年後の今、どんな繁殖分布になっているか、一目瞭然となります。
  2つ目は、東京湾に300羽近く越冬しているミヤコドリ〔写真〕。その生態は不明な状態で、現在まで誰もきちんとした調査をしていません。その行動を実地調査するとともに、糞分析から食べ物を明らかにします。将来はバンディング調査も予定されています。
 3つ目はタカ類の越冬期調査です。今冬1月の調査で、23区内に19羽のオオタカが生息していることが明らかになりました。この話を展開していくうちに、実は、タカ類の越冬期のようすが、全国的にもよく調べられていないということがわかりました。来年1月にも調査を予定していますので、その発展形をと考えています。
そのほか、それらをまとめる室内作業の重要性なども考えていきたいと思います。

『野鳥調査に参加しよう』~あなたのスキルを活かそう!

時:20161023日(日)午後130分~330
場:渋谷区立神宮前穏田区民会館・集会場〈東京メトロ・明治神宮前駅下車・7番出口から徒歩1分・地図参照〉
参加費:無料・事前申込み不要
催:日本野鳥の会東京・研究部

2016年9月29日木曜日

都内のムクドリのねぐらは? ・⑥            聖蹟桜ヶ丘駅と八王子駅のいま

  
  千葉や埼玉など、関東一円のあちこちで見られている“駅前ムクドリねぐら騒動”は、東京都内ではあまり問題になっていません。話題になるのは、東京メトロ・東西線の西葛西駅ばかりですが、そのほかにまったくないわけではありません。多摩地区では、2000年代に入って、京王線の聖蹟桜ヶ丘駅、2010年代になってJR中央線の八王子駅などが知られいます。この9月に2駅の状況を調べてみました。

聖蹟桜ヶ丘駅のねぐらは、10年前とは少し違っていますが、今年は昨年と同じ場所で、数は目測で4000羽程度。駅の東側の果樹園付近に集結して、100ルクスを下回ったころで、一気にねぐら地の通りのサクラやケヤキ、スダジイなどに移動してきました。その場所ではムクドリが嫌うという新兵器の機器がうなっていましたが、まったく無視されていました。買い物客や通勤客も多い場所だけに、嫌われているようでしたが、糞が落ちる場所は人通りが少なく、大きな問題とはなっていないようです。

八王子駅の方は、かつて上記の新兵器が効果をあげて、当時ねぐらとなっていたメインの買い物通りから姿を消しました。今回訪れてみたところ、駅近くのビル屋上の電波塔に集結し〔写真〕、やはり100ルクスを切って薄暗くなってから、駅前ロータリーから北へまっすぐ伸びるメイン道路の両側のマロニエの並木に、約2500羽程度がねぐらを取りました。ここはとくに防御機器は設置されていないようでした。八王子駅前は、人通りも多くなかったためもあるのか、通りすがりの人が、鳴き騒ぐ声に目をやる程度で、とくに大きなトラブルにはなってはいないような印象でした。

いずれも1回の調査ですので、きちんとした把握はできていません。今後も追跡調査を重ねていきたいと思っています。                                   〔日本野鳥の会東京・研究部〕


2016年9月8日木曜日

八王子・日野の野鳥展のご案内

  
東京多摩の八王子市・日野市で野鳥の調査や普及、環境保全で活動している「八王子・日野カワセミ会」が、2016923日(金)~928日(水)に「野鳥展」を開催します。

会場は、八王子市学園センターのギャラリー(JR八王子駅北口前・東急スクエアビル11階)で、パネル(調査から見た野鳥の変動)、野鳥の写真、絵画、バードカービング、小学生が描いた鳥など多彩な内容です。

開いている時間は午前10時~午後8時(23日は午後1時から、28日は午後3時まで)で、2425日は[;オオルリのマイブローチ作り・材料代300円]のイベントもあります。

2016年8月30日火曜日

東京市街地の最新カラス事情・・・・・・・・・・ハシボソガラスが復活?!

  

東京のカラスは2000年をピークに、数が減っているのは実感として感じる人は多いと思います。実際、昨年暮れに都市鳥研究会が調べた都心の3大集団ねぐら地(明治神宮・自然教育園・豊島岡墓地)でのカウント数は、ピーク時の4分の1になっています。(詳しくは、都市鳥研究会のホームページをご覧ください)
ところで、ここ数十年、東京の中心部である23区に棲むカラスはほとんどがハシブトガラス(ブト)で、ハシボソガラス(ボソ)〔写真〕は多摩川や荒川沿いにひっそり生息しているだけでした。しかし、都心部でもここ数年来ボソが目につくようになり、繁殖も記録されています。
街なかでブトとボソが共存するのは、東京以外の都市では普通のことで、東京都心部ではブトばかりという特異の現象が見られていました。
なぜブトがこれほど減ったのか。一般の人は“カラスを捕らえて殺している”からと思っている人が多いようですが、専門家は「餌の量の減少」がその大きな理由としています。いずれにしても、今後ブトとボソの関係はどうなるのか、興味あるところです。



2016年8月8日月曜日

都内のムクドリのねぐらは?・⑤           戸山公園のねぐらはいずこに

  

 

都心部に唯一あった新宿区戸山公園のムクドリのねぐらが消失したという情報で、729日夕方、現地を訪ねました。昨年まで1000羽近く集まっていた交番わきのケヤキの大木の先端部が大きく剪定されていました〔写真:川内 博氏提供〕。午後6時を過ぎてもムクドリは飛来しません。他に変化はないようですので、原因は住民に嫌われ・追い立てられ・ねぐらの木が剪定されたことと思われます。が、現地を見て首をひねりました。“この程度の嫌がらせでムクドリが立ち退いてくれれば、他で困っているところは何?”

ムクドリのねぐらで困っているのは日本国中どこも同じで、“さまざまな手段を使っても、ムクドリは一時いなくなるだけで、馴れるとまた戻ってくる! 打つ手がない!!”戸山公園のねぐらがまた復活するか否かは、もう少しようすを見る必要がありそうです。

しかし、このことは、「どこかにムクドリのねぐらが新たにできた」ということを意味しています。午後615分、少し前にムクドリの群れが通過していった南東の方向に、新たなねぐらを探して歩きましたが空振り。今のところ新・ねぐら地は発見できていません。東京女子医大病院あたりかと思っていますが、情報をお寄せください。

                                 〔日本野鳥の会東京・研究部〕

2016年7月24日日曜日

都内のムクドリのねぐらは?・④           西葛西駅のいま・2016

  

 東京都内のムクドリのねぐら③は、昨年99日付で、東京メトロ・西葛西駅(江戸川区)の状況をお知らせしました。「ムクドリの嫌う周波数の音を出す」という“新兵器”が取り付けられ、今までのねぐら一帯にムクドリは来なくなりました。しかし、ポイントは新兵器の周波数・音にムクドリが慣れないうちに、“これをうまく使って、人とトラブルを起こさない場所に誘導を”ということでした。

722日(金)に同地を訪れました。今年も、駅南口のクスの大木では“カン・カン・・・”という、昨年とは少し違った人工音が鳴り続けていました。明るさが1000ルクスくらいになると、ムクドリは駅周辺のビル屋上の看板やTVアンテナに、数百羽ずつが集まってきました。その数は合計2000羽程度と思われます。そして100ルクスを切ると、ムクドリは南口一帯の樹木に降りてきました。もちろん、新兵器が鳴り続ける大木にも、躊躇することなく舞い降り、以前と同じ状態となりました〔写真〕。北口の街路樹には1羽も止まっていません。昨年指摘した通り、ムクドリたちは新兵器に“実害はなし”と学習したようです。

それにしても、ピンポイントでねぐらに集まる彼らが“嫌われてもなぜここを選ぶのか”という当初からの疑問に対して、いまだに明快な答えが書けないのが現状です。    〔日本野鳥の会東京・研究部〕

2016年7月15日金曜日

『自然教育園報告』第47号に「野鳥調査会」の記録が掲載されました

  



 JR目黒駅から近いためか“めぐろの自然教育園”として親しまれていますが、所在地は港区白金台。おしゃれな“シロガネーゼ”の地に広がる緑地は、古くはオシドリの池、近年はカワセミの営巣地としても有名です。1949(昭和24)年に文部省に移管され、「国立自然自然教育園」として一般開放されました。園内では継続的に動植物の調査が行われ、1969(昭和44)年度から『自然教育園報告』が年報として出されています。

その第47号に、当会研究部と都市鳥研究会の共同で行った「野鳥調査会」の調査結果が掲載されました。タイトルは「自然教育園における2010年代前半の生息鳥類について」で、201211月~201510月までの3年間における月1回のセンサス調査の結果を主体にまとめてあります。奇数月のセンサス調査は、日本野鳥の会東京の会員にも呼びかけ、参加してもらいました。

出現鳥類は外来種も含めて112857種で、個体数は平均約20000羽/年。この間の特徴的な変化は、エナガ〔写真・川内 博氏撮影〕の定着と繁殖。とくに2014年春には竹やぶに造った巣も発見され、11羽の巣立ち雛も撮影されました。こんな小さい空間に11羽の雛と親鳥が一緒に入れるものかと巣を見た人は皆驚いていました。

※この記録の別刷りを希望の方は、PDF版をメールでお送りします。研究部・野鳥調査会あてメールください。また、下記にアクセスすると、バックナンバーを含め『自然教育園報告報告』を読むことができます。
http://www.kahaku.go.jp/research/publication/meguro.html〔国立科学博物館〕