2015年10月26日月曜日

多摩川河口の自然を考えるシンポジウム・10月31日

  

日本野鳥の会神奈川支部・日本野鳥の会東京・日本野鳥の会の主催で、「多摩川河口の自然を考えるシンポジウム 2015が、10月31(土)午後、ラゾーナ川崎5階「プラザソル」JR川崎駅下車、徒歩5分)で開かれます。
ちらし〔図〕には「東京湾で最大規模の河口干潟がある多摩川河口は、シギチドリ類を始め干潟生物の宝庫です。そんな干潟に(仮称)羽田連絡道路の建設が予定されています。皆さんで多摩川河口干潟の過去、現在、未来を考える集いにしたいと考えています。」と記されています。
さらに、このシンポジウム主催者の日本野鳥の会評議員の石井 隆さんは「もっとも基本的な問題は、約5㎞の範囲に首都高速横羽線、国道15号線、首都高速湾岸線が既に存在していて、国道15号線の多摩川トンネルの建設も決まりました。その上都市計画上の位置付のない羽田連絡道路が、造る必要性の議論がないまま進行してしまいました。」と、『ユリカモメ』11月号の巻頭で指摘しています。
ぜひ、参加され、実情を知るとともに、ご意見をお願いします。
 
開場:13時 開演:13時半18時半(予定)  入場無料・先着200


2015年10月19日月曜日

「オキノタユウ」講演会・長谷川 博さん、40年を語る

  

“アホウドリ(阿呆鳥)をやめて、オキノタユウ(沖の大夫)に”と改名を主張し続ける、この鳥の第一人者・東邦大学名誉教授・長谷川 さんの講演会「オキノタユウと40年・・・その保護研究活動を語る」(日本野鳥の会東京主催)が、1017日(土)午後に、会員を対象に東京・新宿で開かれました。〔写真〕

前半は、太平洋上の絶海の孤島・鳥島で、一時は絶滅宣言されたオキノタユウを、1976(昭和51)年秋から調査を始め、以来40年の歳月を費やして、今シーズン(201516年繁殖期)には、700組以上の番いが産卵し、500羽以上のヒナが巣立つことは確実といえるまでに復活させた話です。
長谷川さんは、ひとり孤島に渡り、オキノタユウの繁殖地の保全・改善を続け、新たな営巣地を造り、成鳥やヒナの数をかぞえ、足環やカラーリングをつけるという作業を黙々と続け、都や国も動き、ついには、特別のことがない限り“絶滅”という事態は起こらない状態にまでたどり着かせました。そして、3年後の2018年に、鳥島の集団の総個体数が約5000羽になると予測されるので、それまで調査を続けるとのことです。
後半は、オキノタユウの未来にかけての話で、現時点まではその数は右肩上がりで、保護活動がうまくいってはいるものの、漁業による混獲(こんかく)や海洋汚染問題が、世界的にますます深刻化している現状のなかで、オキノタユウだけでなく、海鳥類全般の問題としてどう対応していくか、これからの宿題も大きいとの話で締めくくられました。

折しも、NHK・ラジオ第2放送で、平岡昭利さん(下関市立大学名誉教授)の講演「アホウドリと帝国日本の南進」という番組が、4回シリーズで放送されています(※)。ここでの話を聴くと歴史的な背景の知識が加わり、「オキノタユウに改名を」という長谷川さんの主張の妥当性が、より深く理解できるようになると思います。


※第3回の再放送が1024日(日)午前10時~11時に、また、第4回の放送が同日午後8時~9時に予定されています。