2009年8月31日月曜日

東京都産の「珍鳥」検討を始めます

  

 ことしの3月に発行した『東京都産鳥類目録2000・自治体編・Ver.1』には、18目65科334種の鳥が収録されています。しかし、その記録の精査はまだ不十分ですので検討を重ねています。また、2001年以後も続々と新しい記録が報告されています。そのなかには全国レベルで記録の少ない「珍鳥」も挙がっています。「珍鳥」の記録は専門的に検討する必要があります。その第1弾として、1975年~2009年6月までに、東京本土部で2例以下の鳥の記録を俎上にあげます。以下の鳥の記録について興味のある方は、研究部までご連絡ください。
【今回検討する珍鳥】オオハム、シロエリオオハム、フルマカモメ、アカオネッタイチョウ、ヒメウ、ヘラサギ、コクガン、サカツラガン、アカツクシガモ、アメリカホシハジロ、シノリガモ、アネハヅル、ヒメクイナ、シロハラクイナ、アメリカウズラシギ、コモンシギ、カラフトアオアシシギ、ハリモモチュウシャク、コシャクシギ、チュウジシギ、トウゾクカモメ、ヒメクビワカモメ、アメリカズグロカモメ、ボナパルトカモメ、ワライカモメ、ハシグロクロハラアジサシ、オニアジサシ、オオアジサシ、キョクアジサシ、エリグロアジサシ、ウミスズメ、ウトウ、サケイ、ヤマショウビン、ヤイロチョウ〔写真〕、ヒメコウテンシ、コヒバリ、ハマヒバリ、マミジロタヒバリ、オオモズ、ウタツグミ、ヒゲガラ、オオセッカ、エゾセンニュウ、チフチャフ、カラフトムシクイ、コノドジロムシクイ、シラガホオジロ、コホオアカ、キマユホオジロ、ツメナガホオジロ、サバンナシトド、ホシムクドリ、コウライウグイス ※写真は1991年6月25日に八王子市美山町で窓ガラスに衝突死亡したヤイロチョウ(曽我千文氏提供)

2009年8月28日金曜日

紹介・鳥類図鑑 『Birds of East Asia』 を手にして

  

日本野鳥の会埼玉県支部の機関誌『しらこばと』9月号を開いたら、『日本鳥類目録』の現状と展望-『Birds of East Asia』刊行を契機として-という、榎本秀和氏の見開き記事が目につきました。内容は日本の鳥類目録の貧弱さを根拠を持って指摘したもので、造詣の深い一文です。『しらこばと』は支部事務所にありますので、興味ある方はぜひ読んでみてください。
ここで紹介するのは、そこで取り上げられていたマーク・ブラジル氏の近著『Birds of East Asia』〔写真〕。さっそくインターネットで注文し取り寄せました。まだパラパラと図版を見ている段階ですが、守備範囲は日本を中心とした中国東部・台湾・朝鮮半島・ロシア東部。分布図がついていますので、我が国では記録されていない近隣の鳥を知るのに最適な本と見受けました。安価なペーパーバック版がアマゾンで3,513円(送料無料)でした。それにしてもちょっと目にした新刊洋書が、注文して2日後には手にできるとは、20年前と比べ隔世の感。 (川内博)

2009年8月12日水曜日

繁殖記録・3 日野市と立川市でのコシアカツバメの営巣状況

  

西日本では一般的なコシアカツバメ Hirundo daurica 〔写真〕は、東京都内での繁殖はあまり知られていません。私は2008年以前から日野市と立川市での営巣を観察していますので、その状況を紹介します。
日野市新井の日野新井アパートは5階建て。13棟中3棟で、その最上階の階段踊り場の壁に巣がつくられ、ペアでの出入りを確認しました。また、立川市富士見6丁目の富士見台住宅では、5階建ての建物の同じような場所に巣がありました。こちらではヒナの声は聞こえませんでした。
東京都内では、1975年~2000年までの期間に、調布市(繁殖確認)、日野市(繁殖確認)、狛江市(繁殖可能性あり)で記録されているようですが、全体的には営巣事例が非常に少ないようですので、今後も注目し ていきたいと思います。都内の他の場所のようすをお知らせください。  (渡部良樹)

2009年8月6日木曜日

外来鳥の現況をお知らせください

  

 都内各地からソウシチョウ〔写真〕やガビチョウカオグロガビチョウ出現の報を聞きます。最近は23区でも目立ちだしました。また、緑の多い公園・庭園や寺社林などではワカケホンセイインコの声が響き渡っています。逆に、「帰化鳥」であるコジュケイの声がすっかりご無沙汰といった状態で、とくに都心部では皆無です。1960~70年代に多摩川河川敷などで話題になったブンチョウベニスズメテンニンチョウなどの現状はどうでしょうか。さらに、70~80年代に目立ったインドハッカハッカチョウホオジロムクドリなどはすっかり影を潜めているようです。
 1961年8月~81年6月までに野外観察された外国産鳥類(外来鳥)のリストが、『ユリカモメ №309』(1981年9月号)に載っています(成末雅恵;首都圏で見られる外国産鳥類について)。そこには79種の名前が登場します。また、今春出版した『東京都産鳥類目録2000・自治体編・Ver.1』では6目15科52種が記載されています。現時点では両者を比較して、変化等を知ることはできません。まず、現状を調べたうえで、傾向などを調べたいと思っています。とくに全国的に増えすぎて、生態系に影響がでる可能性が高い、ソウシチョウやガビチョウ、カオグロガビチョウ、カオジロガビチョウは「特定外来生物」として、その動向が注目されています。そこで、研究部では野外でみられる外来鳥の情報を集めています。ぜひ、ご協力ください。

【報告要領】1.種類 2.観察場所(住所も) 3.生息状況(数も忘れずに) 4.報告者氏名

【報告先】日本野鳥の会東京支部研究部  kenkyubu@mbr.nifty.com