2009年9月21日月曜日

繁殖記録・4 八王子でイソヒヨドリの繁殖確認

           

イソヒヨドリは、日本では磯や港など海岸周辺が主要な生息地域であるが、近年では都市部にも生息するようになったといわれている。八王子・日野カワセミ会の活動フィールドである八王子市、日野市内でも今までイソヒヨドリが何回も目撃されていた。カワセミ会の1983年~2009年6月までの鳥信に47件記録されている。しかし、確実な繁殖記録は2007年まではなかった。
2008年4月にカワセミ会会員A氏が、友人から八王子市内で雌雄を確認という、繁殖の可能性を示唆する情報を得た。2009年5月に再びA氏から、「友人からの情報ですが、八王子市内付近でイソヒヨドリが繁殖し、雛が巣立ったそうです。巣立ちビナを2羽まで確認したが、雌が餌を運び込むので巣内には雛がまだいるようだと話していました。」という情報が寄せられた。
 そこで、粕谷は5月29日に確認に行った。雄親1羽、雌親1羽、巣立ち雛1羽が屋根などにいた。雌親が近くの桜の木から赤くなった実をとって、約30m離れた建物の屋根の軒下で待つ嘴の黄色い巣立ち雛に与えた。桜の実を銜えた雌親の証拠写真は撮れた〔写真〕が、雛にその実を渡すところの写真は撮れなかった。
 6月6日に粕谷は再度観察した。雄親1羽、雌親1羽、巣立ち雛2羽を確認。雌親1羽+巣立ち雛2羽は屋根上の広告板やアンテナに一緒にいて、1羽の雛は雌親に餌をねだる姿勢を示した。雌親は桜の実をとる行動はなく、屋根から少し飛び上がりフライキャッチのような行動を数回繰り返していた。空中の虫を捕っていたのかもしれない。雌親は時々綺麗な声で鳴いていた。一方、雄親は単独行動で別の建物の屋根にいるのが観察された。
 粕谷は6月13日以降、7月までの間、2番子の繁殖を期待して、何回が観察したがこの場所ではイソヒヨドリは確認できなかった。(粕谷和夫

0 件のコメント: