2009年7月1日水曜日

ヤマガラ亜種に注目・繁殖期の伊豆諸島その3

           

 伊豆諸島での鳥類目録作成協力者とお会いするとともに、現地の状況を知る旅の第2弾は、6月27日(土)夜10時出港のかめりあ丸(3700t)で、まず神津島へ。船は途中横浜・大島・利島・新島・式根島に立ち寄り、翌28日(日)午前10時に神津島港に着岸。梅雨前線が横たわっている状況なので、小雨が降り続く中での上陸。ここでご協力いただく中村親夫さんとお会いし、ひとまず宿へ。午後から打ち合わせをしている間中に低気圧が通過し、強い雨風。夕方ごろには雨はほとんど上がったものの、目的の天上山(574m)登山は全行程5時間かかるため断念。
 夜半にはアオバズクが鳴き、ホトトギスが大声で鳴きまわっていました。朝4時半~6時半まで村落や林道探索。スズメやツバメ、イソヒヨドリの若鳥などを確認。アマツバメやトビが飛び交い、ハシブトガラスが目につきました。7時~8時半までは中村さんの車で原生林が続く島の北部へ。つづき沢あたりで探鳥。
 この島で気になったのは『ナミエヤマガラ』。ヤマガラの亜種のひとつで、利島・新島・神津島に生息し、従来数が少ないとされていました。今回歩いたところでは、幼鳥を含めてよく見かけた〔写真〕ので中村さんにお聞きしたところ増えているとのこと。しかし、その体色にはバリエーションがあり、オーストンヤマガラのように色が濃いものからヤマガラタイプまで、いろいろいるとのと。ナミエ亜種がどこまで確立されたものか、今後検証してみる必要がありそうです。29日(月)は好天。しかし、10時半の船で式根島へ渡らねばならぬために天上山へは登れず、次回の楽しみに残しました。
 式根島ではご協力者・小倉暁雄さんにわざわざ野伏港まで出向いていただきお会いしました。昆虫が専門とのことでしたが、野鳥に造詣が深く、新島を含めて百数十種を確認され、カラー写真の小図鑑も作成されていました。この島ではヤマガラはほとんど生息せず、シジュウカラが増えているとのこと。小さい島だけに、鳥は種類・数とも少ないとのことですが、神津島では見かけなかったシジュウカラがさっそく出てきました。大島や新島ではほとんど枯れてなくなったマツが元気よく生育し、大浦海岸、泊海岸などの優雅な岩とよくマッチしていました。港近くにたむろするウミネコ数百羽に見送られ、午後2時45分発のジェット船で大島・元町港へ。〈続く〉(川内博)

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