2017年9月22日金曜日

当会月例探鳥会データを使って「オオタカ研究」を 日本鳥学会大会で発表

  
日本鳥学会大会の2017年度大会が、915日~18日茨城県つくば市の筑波大学で開かれました。台風18号の通過で天候が危ぶまれましたが、直撃ではなかったので、予定通りで終了しました。
さて、この大会には今年も全国から571名の参加があり、口頭発表63件・ポスター発表135件・高校生(小・中学生)ポスター発表9件、自由集会13件と盛りだくさんで、そのうえ、公開シンポジウムも組まれていているので、到底4日で全部を見聞きすることはできませんでした。
この会の特徴はアマチュアが頑張っていることと、若者が多いということ。その結果“活気がある”ということです。学会といっても誰でも会員になれます。ちなみに来年は新潟市でほぼ同じ日程で開かれます。

 ところで、今回の発表の中に『超市民データ「探鳥会」の記録から読み解く 東京都心とその周辺におけるオオタカの都市進出状況』というポスター発表がありました。発表者は明治神宮探鳥会でリーダーとして頑張っている水村春香さん。〔写真〕 水村さんのライフワークのオオタカ研究の一環として、日本野鳥の会東京の月例探鳥会10か所のデータを解析して、オオタカが郊外から都心へ進出してきた過程と、その要因について追及した力作。

探鳥会の成果が活用された事例として、今後『ユリカモメ』にも発表してもらいたいと思っています。乞うご期待。   

2017年9月6日水曜日

タカの渡り in Tokyo・陣場山山頂で秋のサシバ等の渡り調査 参加のご案内

  

八王子の八王子・日野カワセミ会が陣馬山山頂での秋のタカの渡り調査を実施していて、協力者を求めています。〔写真は、ハシブトガラスに追われるサシバ・自然教育園にて〕
同会では1996年から毎年タカの渡りを観察し、羽数をカウントしています。2010年からは松竹公園西(八王子市下恩方町)、陣場山山頂(上恩方町)、城山湖ダムサイト(相模原市)の3か所で行っています。
観察時期は9月下旬から10月上旬までの連日で、カワセミ会の会員有志が都合のつく日を事前登録して作成された日程表に基づいて実施。しかし、3か所の観察地のうち、陣場山山頂は現地までのアクセスが他の2か所と比べると利便性を欠くため参加者が少なく、観察者が誰もいない空白の日が生じることがあります。
そこで、今年から日本野鳥の会東京・研究部の協力を得て陣場山山頂で以下によりカウントを行うこととしました。タカの渡りに興味のある方の参加を期待しています。

 実施時期917日(日)~109日(日)までの間
実施時間帯830分頃から14時頃まで(この間の適当な時間でよい)
調査内容:陣場山山頂付近を通過するサシバ他渡りの鷹をカウントする。ツバメ、アマツバメ類、ヒヨドリ等の渡りもカウントする。
調査方法:双眼鏡(必須)あればフィールドスコープで出現するタカ等を識別してカウントし、結果を記録する。当日の参加者が複数の時は、協力してこのカウントを行う。
結果の報告と記録の共有:八王子・日野カワセミ会のHP担当者にその日うちにeメール(又は電話)で報告する。報告された結果はHPにアップされるので記録が共有される。
参加の事前登録(問合せ):参加される方は事前に粕谷和夫(日本野鳥の会東京会員、八王子・日野カワセミ会会長)にはがき(192-0074八王子市天神町3-6)又はeメール(kasuya.kazuo688@gmail.com)で参加予定日を連絡する。事前に登録された会員には調査実施要領、結果報告様式、日程表を送付する。
なお、2016年までのカウント結果はカワセミ会のHPで閲覧できる。
http://kawasemi.fan-site.research/sasiba/hawk2016.htm

2017年8月18日金曜日

外来ネコ問題研究会主催連続シンポジウムのご案内

  
             野鳥を狙うネコの図

シンポのチラシは以下のURLから

《 第5回 島のネコ問題-各地の事例に学ぶ- 奄美・御蔵・小笠原・沖縄.みんなで考えよう! ネコ問題と生態系そして人のこと!! 》

主催: 外来ネコ問題研究会
後援: 環境省自然環境局, 鹿児島県, 奄美市, 一般社団法人日本哺乳類学会, 日本鳥学会鳥類保護委員会, 奄美ネコ問題ネットワークACN[一般社団法人奄美猫部,NPO法人奄美野鳥の会,奄美哺乳類研究会], NPO法人徳之島虹の会, 一般社団法人御蔵島観光協会.
協力: 早稲田大学野生動物ゼミ 助成: 公財 自然保護助成基金(PNF

●日時:2017826日(土)12:30開場、13:00開演  18:00終了予定
●会場:早稲田大学 (早稲田キャンパス3号館601教室,収容人数207名).〒169-8050 新宿区西早稲田1-6-1
●交通: 地下鉄東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩5;  JR山手線高田馬場駅前 都バス学02(学バス)  早大正門; 都電荒川線早稲田駅から徒歩5;  JRもしくは西武鉄道新宿線高田馬場駅から徒歩20
●内容:
1.シンポジウムの趣旨説明・司会 森林総合研究所 山田文雄
2.各地の事例報告(影響,対策,課題)
 1)奄美大島・徳之島における野生化したネコの問題  奄美野生動物研究所 塩野崎和美
 2) 奄美大島のネコ問題の実状と課題  奄美ネコ問題ネットワーク(ACN) 久野優子
 3)東京都の秘境 御蔵島: 出口がみえないノネコ問題  山階鳥類研究所  岡 奈理子
 4)小笠原のネコ対策 崖っぷちから脱した10年の取り組みと新たな挑戦 NPO法人小笠原自然文化研究所 佐々木哲朗
 5) ノネコがいないネコの島: 西表島からの現状報告 NPO法人どうぶつたちの病院沖縄 長嶺 隆
3.ネコ問題 どうしたら解決できる?〜間違った飼育はネコを不幸にする〜 NPO法人どうぶつたちの病院沖縄 長嶺 隆
4.全国に広がりを見せるネコ問題を法解釈学的に、また公共政策学的に総括する 神奈川大学法学部 諸坂佐利
5.コメンテーター 東京女子大学 石井信夫
 休憩
6.パネルディスカッション
連絡先・事務局:invasivecatrj@gmail.com
【外来ネコ問題研究会】https://invasivecatresearchjapan.blogspot.jp/


2017年8月14日月曜日

研究部8月例会・ビデオ作品鑑賞会を実施

  

連日の猛暑が噓のような涼しい曇り空の811日の午後5時。日本野鳥の会東京・研究部8月例会の議題として、会員の難波誠一さんのビデオ映像を1時間鑑賞しました〔写真〕。1997年~2014年の間に、東京一帯の探鳥地20か所で撮影された、珍鳥を中心とした55種の映像で、鳥の行動や鳴声などの記録を大事にされる同氏の姿勢から、図鑑や写真では読み取れなかったことがいくつも見つかりました。難波さんは、映写しながら、自分の観察や撮影時のようすなどを静かに語られました。

見終わったあと、印象に残ったシーンとして、参加した川内桂子さんからは「カラシラサギの採餌行動がコサギに似ているというのですがコサギよりも素早く見えました。今度コサギに出会ったらゆっくり観察して比べてみたくなりました。」、「アオシギがヤマシギと全く違う歩き方なのには驚きました。外見はそっくりでも、全く違うとは。」、「サンカノゴイはどこにいるかわからないので、居そうな場所に向けて長時間撮影をし、その後、早送りをして見ると不思議なことに見えてくるというのは面白かった」などが寄せられました。また、葛西臨海公園での探鳥から駆けつけた田久保晴孝さんは、「ウミネコばかりでもうシギ・チはいない」と寂しそうに語っていました。12羽の珍鳥でなくて、もっと広大な湿地回復で何千何万という渡り鳥を呼び戻す日本独自の地球規模のプロジェクトはないのでしょうか。

とりあえず、これまで撮られた過去の野鳥の記録・観察の蓄積などのレガシーを保存・保管し、有効な活用法を考えるための第一歩の試み。短時間に沢山の種を観察できる有意義なビデオ鑑賞でした。改めて、話題提供者の難波さんに感謝の拍手をお送りします。

2017年7月22日土曜日

都内のムクドリのねぐらは?・⑦            共存の道は?

  

ことしも“駅前ムクドリねぐら騒動”の季節となりました。都内のねぐら地の検証を進めていますが、昨年、ムクドリ専用の“新兵器”でかく乱された東京メトロ東西線・西葛西駅南口広場には、719日夕方、目測3000羽が集まっていました。〔写真〕
「ムクドリが嫌う周波数の音を流して、ねぐらの木に止まらなくする」ということで、その機器は各地のねぐらに設置され、当初は抜群の効果を示しますが、時間がたつにつれて“残念ながら”の結果に終わっているようです。西葛西駅前も、昨年の後半と同様なんの効果もなく、鳴声騒音といつ落ちてくるかわからない糞の問題をかかえて、午後7時過ぎには広場一帯の街路樹のなかに収まってしまいました。

720日の夕方訪れたJR八王子駅北口から続く大通りにも、今年は人工合成音が流れていました。ムクドリの動きは、昨年同様まず近くの電波塔などに集まり、次いで大手家電店の屋上に移り、1000ルクスを切るころから街路樹におり始め、500ルクスくらいで大半がマロニエの並木に収まりました。その間、複数台設置された“新兵器”は、時間差攻撃で鳴っていましたが、西葛西駅前同様、まったく効果なく、最大85デシベル(dB)以上の音が鳴り続けていました。

その足で、今夏変化があったという京王線・聖蹟桜ヶ丘駅の状況を調べてみました。情報通り、ねぐらの中心地であった商業ビル・せいせきB館とC館をつなぐ歩道橋周辺には1羽のムクドリもいず、昨年から設置された機器が、八王子と同じ音を流していました。しかし、そこから200m離れた街路樹には数100羽のムクドリの鳴声がしていました。
それを確認して、移った先ではないかという同じ路線の分倍河原駅の周辺を調べてみました。ここは前2駅と違い、にぎやかな飲食店通りが1本あるだけで、“人通りが大好き”な都会派ムクドリのねぐらには適地ではないと思われ、姿も鳴声も確認できませんでした。

 ムクドリのねぐら形成については“定説なし”が現状です。さまざまな嫌がらせをしても立ち退かなかったのが、ある日突然原因不明でいなくなることもよくあります。しかし、いなくなったのはその場所だけのことで、その群れは移ったどこかで新たなトラブルが生じている可能性大です。40年来解決できない難問のとりあえずの答えは“消滅させることは不可能・共存する道を捜すのがベスト”。〔日本野鳥の会東京・研究部〕

2017年6月24日土曜日

神津島の野鳥・繁殖調査の結果速報

  
  東京都鳥類繫殖分布調査として、伊豆諸島・神津島の調査が行われました。調査は5月末~6月初めに実施され、25種が記録されました。一番多かった鳥はウグイスで、ヒヨドリ・メジロ・ヤマガラの4種でほとんどが占めていました。しかし、カラスバト、イイジマムシクイなど、本土ではほとんど見られない鳥も認められました。また、島の北部、つづき沢一帯ではミゾゴイ・サンコウチョウ・キビタキなどが記録されました。ホトトギスが終日大きな声で鳴きながら飛び回っているのも印象に残りました。

ところで、この島の鳥の特徴として知られているのが「亜種ナミエヤマガラ」。ヤマガラの一亜種として、この島や新島などでその生息が知られていますが、オーストンヤマガラのように一目見てわかるほどの違いはなく、その識別は目視や写真などでは困難なようです。とりあえず、神津島で撮ったヤマガラの写真をあげておきます〔写真〕。

【神津島の野鳥・記録一覧】カラスバト、ウミウ、ミゾゴイ、ササゴイ、ホトトギス、アマツバメ、メリケンキアシシギ、ウミネコ、トビ、サンコウチョウ、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、オオムシクイ、イイジマムシクイ、メジロ、オオヨシキリ、イソヒヨドリ、キビタキ、スズメ、ハクセキレイ、ホオジロ
                         (川内

2017年5月26日金曜日

自然教育園と新宿御苑、ヤマガラの繁殖確認・ウグイスは?

  

  以前からその繁殖に注目している東京都心部でのヤマガラとウグイスの繁殖。ヤマガラについては、親と行動を共にする「巣立ちビナの確認」という形で、この5月に自然教育園(港区)と新宿御苑(新宿・渋谷区)で記録しました。両園とも生息自体は以前から認められていましたが、“確実に繁殖しているという証拠は見つかっていませんでした。

一方、ウグイスについては、今年も新宿御苑の2か所で囀っています。昨年は、秋の園内の手入れの際に、古巣がないか気をつけてもらったのですが、残念ながら朗報は聞けませんでした。戦前は明治神宮などでの繁殖が記録されていますし、日本各地の平地部でふつうに生息し、東京でも郊外の川沿い・海沿いの草原では“越夏”が記録されていますが、どこも「繁殖確認」はできていません。

それにしても、新宿御苑のウグイスはよく囀り・動き回ります【写真】。この行動が何を意味するのか、また、“一夫多妻”といわれているウグイスですので、複数個体がいるのか調べていますが、今のところ1羽しか確認できていません。

交通の便のよい新宿御苑ですので、機会があったら立ち寄ってみて、繁殖にかかわる観察をされたら、ぜひ研究部あてお知らせください。                           〔日本野鳥の会東京・研究部〕  

E-mailofficeyacho-tokyo.org <送信の際に★を@に変換してください>